原油価格の高騰で膨張する中東のオイルマネーが27日の東京市場を大きく乱高下させた。午前中は米サブプライム(高金利型)住宅ローン問題の深刻化懸念から株安・円高・金利低下が進んだが、午後に入り、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ投資庁がサブプライム関連の巨額損失を出した米金融大手のシティグループに75億ドル(約8100億円)を出資するとの発表が伝わると、株高・円安・金利上昇へと一転した。
前日の東京株式市場では、世界最大の外貨準備を持つ中国政府が日本株投資を本格化させるとの思惑で株価が急騰した。サブプライムショックで神経質な展開が続く金融市場は、存在感を増す巨額のニューマネーに“一喜一憂”している。
東京株式市場の日経平均株価は午前中に前日終値比333円34銭安の1万4801円87銭まで急落。しかし、午後には一時177円34銭高の1万5312円55銭へと急騰。終値は87円64銭高の1万5222円85銭と小幅続伸だったが、安値と高値では、510円も動く乱高下を演じた。
東京外国為替市場でも午前中に一時1ドル=107円台前半まで円高・ドル安が進んだ後、108円台まで下落。債券市場では、長期金利の指標となる新発10年債の利回り一時1・420%まで急低下。その後、1・5%台前半に急反発した。
午後に入り、動きが一転したのは、オイルマネーが世界市場に流入し、サブプライムショックによる信用収縮が緩和されるとの安心感が広がったためだ。特に、株式市場では、26日にUAEのドバイ政府系投資会社がソニーに「大規模投資を行った」と発表しており、「欧米の外国人投資家に代わり、オイルマネーが割安な日本株投資を活発化し、買い手不在が解消される」(市場関係者)との期待感が広がっている。
実際、オイルマネーの投資意欲は高まるばかりだ。8月にドバイ政府系の投資会社が「ユニクロ」との争奪戦の末、米高級百貨店のバーニーズ・ニューヨークを買収したほか、9月にはアブダビ政府系の投資会社が日本のコスモ石油の筆頭株主となった。
みずほ総合研究所によると、中東産油国が投資に使えるオイルマネー(累積経常黒字額)は8840億ドル(95兆4720億円)に上るという。
ただ、市場を翻弄(ほんろう)しているのもまたオイルマネーだ。サブプライムショックをきっかけにオイルマネーも株式市場から原油市場に逃げ込み、1バレル=100ドル目前に迫る高騰の一因となった。原油市場への流入額は日本円で10兆円に上るとの推計もあり、オイルマネーが原油をつり上げ、さらに膨張する“自作自演”を繰り広げている。
2007年11月28日水曜日
アジア新興国戦略 3メガ加速
3大邦銀グループがベトナムやインドなど中国以外のアジア新興国での事業戦略を強化している。三井住友銀行は27日、ベトナムの大手民間銀行、ベトナム輸出入銀行と資本・業務提携契約を締結。みずほコーポレート銀行(CB)は10月、シンガポールに顧客企業のアジア進出を支援する拠点を設置した。国内の資金需要が低迷する中、成長著しいアジア新興国市場でビジネスを拡大するのが狙い。
三井住友銀は、来年3月末までに、ベトナム輸銀の第三者割当増資に応じ、250億円を出資。同行の発行済み株式の15%を保有し、筆頭株主となる。業務提携はリテール(個人向け金融)分野が中心で、消費者ローンやクレジットカード業務などで協力する。
三井住友銀は9月にも、インドのインフラストラクチャー金融公社と社会資本整備の資金調達支援で提携した。奥頭取は「当行はアジアに軸足を置いた海外戦略を打ち出している。今回のベトナム輸銀との提携もその一環」と説明した。
みずほCBは8月、マレーシアの最大手銀行、メイバンクと売掛債権の買い取り業務で提携した。日系進出企業の資金調達手段の多様化を支援する。
さらに、みずほCBは10月に、顧客企業の海外進出に関する助言業務を強化するため、海外営業推進部を東京の本店に設置。同時に、シンガポールに、同部アジア室を設け、アジア全域にわたる情報収集・提供能力の向上に乗り出している。
三菱東京UFJ銀行も昨年10月、マレーシアの総合金融グループ、CIMBと、投資銀行業務などで提携した。同行は今年4月、CIMBに450億円を出資し、関係を強化した。
すでに昨年11月には、ベトナム最大の国営銀行、ベトコンバンクとの間で、今回のCIMBと同様の業務提携契約を締結。同月には、アコムとともに、インドネシアのヌサンタラ・パラヒャンガン銀行の大株主と、同行の発行済み株式の75・4%を買い取る契約を結んだ。
3メガバンクがアジア新興国市場の開拓を急いでいるのは、中国に続く生産拠点として、日系企業が進出し、高い経済成長を続けているためだ。
各行は公的資金を返済し、海外業務を新たな成長戦略の柱としているが、米国のサブプライム(高金利型)住宅ローンに関連した投融資などで大きな打撃も受けている。サブプライムローン問題による市場の混迷が広がる中、欧米での事業展開の見直しも迫られており、今後も対アジア新興国戦略は加速しそうだ。
三井住友銀は、来年3月末までに、ベトナム輸銀の第三者割当増資に応じ、250億円を出資。同行の発行済み株式の15%を保有し、筆頭株主となる。業務提携はリテール(個人向け金融)分野が中心で、消費者ローンやクレジットカード業務などで協力する。
三井住友銀は9月にも、インドのインフラストラクチャー金融公社と社会資本整備の資金調達支援で提携した。奥頭取は「当行はアジアに軸足を置いた海外戦略を打ち出している。今回のベトナム輸銀との提携もその一環」と説明した。
みずほCBは8月、マレーシアの最大手銀行、メイバンクと売掛債権の買い取り業務で提携した。日系進出企業の資金調達手段の多様化を支援する。
さらに、みずほCBは10月に、顧客企業の海外進出に関する助言業務を強化するため、海外営業推進部を東京の本店に設置。同時に、シンガポールに、同部アジア室を設け、アジア全域にわたる情報収集・提供能力の向上に乗り出している。
三菱東京UFJ銀行も昨年10月、マレーシアの総合金融グループ、CIMBと、投資銀行業務などで提携した。同行は今年4月、CIMBに450億円を出資し、関係を強化した。
すでに昨年11月には、ベトナム最大の国営銀行、ベトコンバンクとの間で、今回のCIMBと同様の業務提携契約を締結。同月には、アコムとともに、インドネシアのヌサンタラ・パラヒャンガン銀行の大株主と、同行の発行済み株式の75・4%を買い取る契約を結んだ。
3メガバンクがアジア新興国市場の開拓を急いでいるのは、中国に続く生産拠点として、日系企業が進出し、高い経済成長を続けているためだ。
各行は公的資金を返済し、海外業務を新たな成長戦略の柱としているが、米国のサブプライム(高金利型)住宅ローンに関連した投融資などで大きな打撃も受けている。サブプライムローン問題による市場の混迷が広がる中、欧米での事業展開の見直しも迫られており、今後も対アジア新興国戦略は加速しそうだ。
2007年11月27日火曜日
生保の不払い、決算を直撃
日本生命保険など生命保険主要9社の2007年度上期(4~9月)業績が26日出そろった。各社とも保険金不払い問題の社内調査などに注力したことから、新契約年換算保険料が9社合算で前年同期比16.8%減の4109億円と大幅に落ち込んだ。一般企業の売上高に相当する保険料等収入も2.8%減の8兆4839億円となり、不払い問題が経営を直撃した格好となった。
新規に獲得した保障額を示す新契約高では、日本生命が49.5%減と大幅に落ち込んだのを筆頭に8社で減収となった。不払いの社内調査に経営資源が割かれ、営業職員の新契約獲得活動に影響が出たほか、営業職員の評価体系も従来の新契約獲得から契約後のフォロー重視に切り替えたことが響いた。
保険本業のもうけを示す基礎利益も4.2%減の1兆1313億円となった。企業業績の好調で保有株式の配当収入が伸びたものの、不払い問題による新契約業績の低迷などが足を引っ張った。
新規に獲得した保障額を示す新契約高では、日本生命が49.5%減と大幅に落ち込んだのを筆頭に8社で減収となった。不払いの社内調査に経営資源が割かれ、営業職員の新契約獲得活動に影響が出たほか、営業職員の評価体系も従来の新契約獲得から契約後のフォロー重視に切り替えたことが響いた。
保険本業のもうけを示す基礎利益も4.2%減の1兆1313億円となった。企業業績の好調で保有株式の配当収入が伸びたものの、不払い問題による新契約業績の低迷などが足を引っ張った。
日経平均、後場で急速に切り返す
午後の東京株式市場では、アブダビ投資庁(ADIA)が米シティグループに資本参加することが明らかになりサブプライム問題への不安が和らいだことから先物にショートカバーが入り、前場に急落した日経平均は急速に切り返した。
一時は1万5300円台まで上昇し、1日の上下値幅が500円を超える乱高下となった。27日の東京市場は午後に入り地合いが一変、ドル高/株高/債券安になった。日本時間の正午前に明らかになったアブダビ投資庁の米シティグループへの資本参加が材料視された。
米金融大手シティグループには、サウジアラビアのアルワリード王子がかなり出資しているが、アブダビ投資庁(ADIA)に普通株に転換する出資証券75億ドル相当を売却することで合意したと発表したことでシティの信用力を上げる動きとして市場はいったん評価しているようだ。
ただ出資額の75億ドルは決して大きい額ではない。現在の東京株式市場は、ニュースに驚いたショート筋の買い戻しで切り返してきているが、シティが一息つけるか、それとも不十分とみるか、本当の評価は今晩の米国株式市場にかかっている。
一時は1万5300円台まで上昇し、1日の上下値幅が500円を超える乱高下となった。27日の東京市場は午後に入り地合いが一変、ドル高/株高/債券安になった。日本時間の正午前に明らかになったアブダビ投資庁の米シティグループへの資本参加が材料視された。
米金融大手シティグループには、サウジアラビアのアルワリード王子がかなり出資しているが、アブダビ投資庁(ADIA)に普通株に転換する出資証券75億ドル相当を売却することで合意したと発表したことでシティの信用力を上げる動きとして市場はいったん評価しているようだ。
ただ出資額の75億ドルは決して大きい額ではない。現在の東京株式市場は、ニュースに驚いたショート筋の買い戻しで切り返してきているが、シティが一息つけるか、それとも不十分とみるか、本当の評価は今晩の米国株式市場にかかっている。
2007年11月26日月曜日
日経平均は続伸、中国政府系ファンドへの期待で一時400円超える上昇
東京株式市場では、日経平均が大幅続伸。終値で1万5000円台を回復し、上げ幅は一時400円を超えた。23日の米国株高を受けて銀行株を中心に買い戻しが先行。その後、一部で中国の政府系ファンドが日本株に投資すると伝えられたことをきっかけに期待感から先物への買いが強まり、日経平均を一段と押し上げた。
東証1部騰落数は値上がり1282銘柄、値下がり354銘柄、変わらずは85銘柄。
東証1部騰落数は値上がり1282銘柄、値下がり354銘柄、変わらずは85銘柄。
横浜銀など4行2けた増
地方銀行・第二地銀大手10行・グループの2007年9月中間連結決算が出そろった。日銀による昨年7月のゼロ金利政策解除とその後の追加利上げで、貸出金の利回りが上昇。利ざや改善効果で、最終利益は横浜銀行、静岡銀行、札幌北洋ホールディングス、京都銀行が2けた増益となった。
米国の低所得者向けサブプライム(高金利型)住宅ローン関連の損失は7行がゼロだった。サブプライム損失は、最も多い千葉銀行でも中間期で9億円にとどまり、業績への影響はほとんどなかった。ノンバンク関連の損失も軽微で、両損失により業績の下振れが相次いだ大手銀行6グループとは対照的な結果となった。最終減益は西日本シティ銀行だけだった。
地銀でサブプライム関連の影響が少なかった背景には、住宅ローン、中堅・中小企業向け融資に力を入れたことや、「複雑な仕組み債には投資しない」(京都銀)など国債を中心とした保守的な運用姿勢がある。
一方、業界筋の間では「これまで地銀は不良債権処理に追われ、ハイリスク商品に手を出す余裕がなかっただけ」との見方もある。
米国の低所得者向けサブプライム(高金利型)住宅ローン関連の損失は7行がゼロだった。サブプライム損失は、最も多い千葉銀行でも中間期で9億円にとどまり、業績への影響はほとんどなかった。ノンバンク関連の損失も軽微で、両損失により業績の下振れが相次いだ大手銀行6グループとは対照的な結果となった。最終減益は西日本シティ銀行だけだった。
地銀でサブプライム関連の影響が少なかった背景には、住宅ローン、中堅・中小企業向け融資に力を入れたことや、「複雑な仕組み債には投資しない」(京都銀)など国債を中心とした保守的な運用姿勢がある。
一方、業界筋の間では「これまで地銀は不良債権処理に追われ、ハイリスク商品に手を出す余裕がなかっただけ」との見方もある。
サブプライム関連商品、銀行保有額1兆3300億円
金融庁は、国内の銀行と信用金庫、信用組合が保有する米国の低所得者向けサブプライム(高金利型)住宅ローン関連の証券化商品が9月末時点で総額約1兆3300億円に上るという調査結果をまとめた。
このうち、銀行が9月中間期決算で計上した評価損は約1100億円。また、中間期に計1200億円を売却などで処理した。
ただ、サブプライム問題を契機にして、信用力の低下は証券化商品全般に波及。10月以降は格下げも相次ぎ、買い手不在の中で価格は下落傾向にある。証券化商品の売却は困難なため、来年3月期の本決算では、評価損が一段と膨らむ恐れがあり、金融庁は引き続き注視する方針だ。
調査内容は大手銀行10グループと地方銀行110行、信金・信組455団体による9月中間期の報告を基としており、サブプライムローンを盛り込んだ証券化商品などの保有額のほか、ヘッジファンドを通じたサブプライム関連投資額などを含む。
調査によると、大手行と傘下の証券子会社などの保有総額は約1兆2000億円で、このうち1000億円の評価損を計上した。
また、地銀と第二地銀の保有額は1100億円で、このうち60億円を評価損として計上。信金と信組の保有額は200億円で、10億円の損失を計上している。
このうち、銀行が9月中間期決算で計上した評価損は約1100億円。また、中間期に計1200億円を売却などで処理した。
ただ、サブプライム問題を契機にして、信用力の低下は証券化商品全般に波及。10月以降は格下げも相次ぎ、買い手不在の中で価格は下落傾向にある。証券化商品の売却は困難なため、来年3月期の本決算では、評価損が一段と膨らむ恐れがあり、金融庁は引き続き注視する方針だ。
調査内容は大手銀行10グループと地方銀行110行、信金・信組455団体による9月中間期の報告を基としており、サブプライムローンを盛り込んだ証券化商品などの保有額のほか、ヘッジファンドを通じたサブプライム関連投資額などを含む。
調査によると、大手行と傘下の証券子会社などの保有総額は約1兆2000億円で、このうち1000億円の評価損を計上した。
また、地銀と第二地銀の保有額は1100億円で、このうち60億円を評価損として計上。信金と信組の保有額は200億円で、10億円の損失を計上している。
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