2008年2月16日土曜日

銀行の07年9月不良債権比率 2.5%

融庁が15日発表した2007年9月期の不良債権状況によると、全国121銀行の貸し出しなど総与信に占める不良債権比率は07年3月期比で横ばいの2・5%だった。残高は3月期比1000億円減の11兆8710億円。これで5年半連続で減少した。金融庁では「安定した推移」とみている。

 ただ、9月末段階では改正建築基準法施行などによる資金需要の減少や、原油・原材料価格高騰による取引先企業の業績不振は反映されていないとみられ、金融庁は引き続き注視していく構えだ。

 大手銀と信託銀、地銀、第二地銀に、あおぞら、新生などを加えた121行が金融再生法の開示基準に沿って決算発表で公表したものを、金融庁が集計し、増減要因などを聞き取り調査した。

 大手銀と信託銀の主要9行に限れば、不良債権比率は3期連続で1・5%と安定。ピークの02年3月期の8・4%と比べほぼ6分の1まで減少した。

 一方で、地銀64行は3・9%、第2地銀45行は4・5%と不良債権比率は高くなっており、経営規模が小さくなるほど苦しい状況が続いている。

 また、不良債権処理に伴う損失は全体で7815億円と前年同期より増加した。