2007年12月4日火曜日

第3次利上げは当面困難

サブプライムショックで3次利上げに動くに動けない日銀。だが、緩和的な金融環境を放置すれば世界的な“カネ余り”を演出し、原油などの商品市場に資金が流れ込む形でインフレを助長しかねない。日銀は「インフレ抑制」と「景気持続」のはざまでジレンマに悩まされている。

 「米住宅市場の調整が長引き、個人消費にどう影響を及ぼすかがポイントだ」。日銀の福井俊彦総裁は3日、名古屋市内で行った会見で、米国のサブプライム住宅ローン問題が実体経済へ波及することに強い懸念を示した。

 サブプライム住宅ローンの焦げ付き問題に端を発した金融市場の混乱で、欧米の金融機関は多額の損失を計上。今のところ「日本の金融機関への影響は限定的」(福井総裁)にとどまっているが、米国経済の減速が深刻化すれば、日本の景気拡大は自動車や電機など輸出企業が牽引(けんいん)しているだけに影響から逃れられそうもない。