2007年12月1日土曜日

夜間を活性化、PTSが拡大

夜間に株式売買ができる私設取引市場(PTS)が拡大している。牽引しているのはSBIグループが中心になって8月末に開設した「ジャパンネクストPTS」。売買代金が3カ月で2・6倍に増えるなど投資家の間で存在感を強めていることが夜間市場全体の活性化につながっている。

 PTSによる夜間取引は、マネックス証券が2001年1月に開始。昨年9月にはカブドットコム証券が参入したが、夜間取引は、それぞれのネット証券で口座を持っている投資家しか参加できない。このため、昼間の証券取引所と比べると売買が成立しにくいことが課題となっていた。

 ジャパンネクストは、ネット証券業界最大の約150万口座を持つSBIイー・トレード証券をはじめ、ゴールドマン・サックス証券、GMOインターネット証券が参加して8月末にスタートした。年度内にはオリックス証券、楽天証券も合流し、取引に参加できる投資家は先行2社の3~4倍に膨らむ。

 投資家にとって魅力なのは、業界最大の4000銘柄を扱うなど規模のメリット。取引参加者が多いことが、希望に近い価格で売買できるチャンスの拡大につながり、投資家を呼び寄せる好循環が生まれている。

 1日平均売買代金は9月の5億円から、10月には9億円、11月には13億円と着実に増やしており、先行2社合計の約3倍の規模になっている。それに伴って夜間取引市場全体の規模も9月の約2倍に拡大した。

 取引参加者の増加で、徐々に浸透しつつある夜間取引だが、その規模は東証1部の売買代金の0・06%程度に過ぎない。取引時間の拡大や信用取引の導入など取引手段の多様化を通じて、社会基盤として、いかに定着させていくかが今後の課題となっている。