2008年1月26日土曜日

仏ソシエテ、買収の標的に

トレーダーの不正行為でフランスの銀行2位、ソシエテ・ジェネラル(SG)が巨額損失を出したことで、国境を越えた欧州の銀行再編劇が再燃する可能性が浮上してきた。

 SGは24日、2000年から勤務している30代の男性トレーダーが昨年から今年初めにかけ限度を大幅に超える先物取引を行い、49億ユーロ(約7600億円)に上る損失を出したと発表。サブプライム(高金利型)住宅ローン関連で20億5000万ユーロ(約3200億円)の評価損も計上し、同行は損失穴埋めのため、55億ユーロの増資を行う。

 07年通期の最終損益は今回の損失を差し引いても6億〜8億ユーロの黒字となる見込みだが、発表を受け同行の株価は6%以上も下落した。

 英紙テレグラフ(電子版)は25日、ライバル銀行が、これを好機とみてSGに買収提案を行う可能性が出てきたと報じた。買収候補として、昨年蘭大手ABNアムロの買収合戦で英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドが率いる国際コンソーシアム(企業連合)に敗れた英バークレイズと、伊ウニクレディトの2行を挙げた。

 同紙は、SGに外銀からの買収提案が行われた場合、フランス政府が阻止に向け仏BNPパリバとの統合などを働きかけるとの見方も示し、サブプライム問題の影響で沈静化していた欧州の金融再編の動きが再燃する可能性があると指摘した。