2007年11月16日金曜日

広がる慎重取引…サブプラショックでFX転機、倒産リスクも

預けた証拠金の数倍から数百倍の外貨取引ができる外国為替証拠金取引(FX)。少ない手元資金で多額の利益が狙えることから急拡大を続けてきたが、米国のサブプライム(高金利型)住宅ローンショックにより転機を迎えている。度重なる為替相場の乱高下で損失を被り、慎重な取引を行う個人投資家が急増。一方で、FX業者の倒産で投資家に被害が出るケースが相次ぎ、為替変動リスクに加え、新たに“倒産リスク”が浮上しており、金融庁も神経をとがらせている。


外為証拠金取引(FX) とは?

 証拠金の何倍もの外為売買ができるハイリスク・ハイリターン取引。2~20倍程度が一般的だが、700倍以上の取引を認める業者もある。100万円の証拠金を預け、10倍の1000万円で1ドル=100円の時に10万ドルを買った場合、110円まで円安が進むと、10万ドルは1100万円になり、100万円の為替差益が得られる。逆に90円の円高になると、100万円の損失が出る。投資家の破産を防ぐため、為替差損が証拠金の8割程度に達すると取引を停止し精算するか、証拠金を積み増しを求められる仕組みが設けられており、8月17日の急激な円高では、損切りを迫られる投資家が続出した。